2225日
「ギタリストって "このボーカルと一緒にやれてよかった" というボーカルと出会うと、そのボーカルを失うと自分がいなくなる」
JIN
最後の演奏が終わってギターを放り投げてステージを去った人に、ここまで言わせる。
「テレビを観る時も、トイレに入る時も弾いていた。 毎日毎日夜中まで弾き倒しては 寝るまで弾いて、よくギターと一緒に寝た。 彼女に振られても家に帰りギターを弾けば慰められた。 友達と大喧嘩してもギターはいつもそばに居てくれた。 ギターは決して自分を裏切らなかった」
PABLO
ギターにこれだけ注いできた人がラストライブ後にアンプにギターを叩きつける。
2人のギタリストにこれほど愛されたボーカル。
もう一度ステージに帰ってくるなら力を貸そうと、9人ものボーカリストが自分の出番が終わっても、自分のステージが控えていても全身全霊で歌ってくれる。
たくさんの人に愛されたボーカリストがこの世を去って7年。
2020年2月1日・2日
HOSTED BY coldrain BLARE FEST. 2020 @PORTMESSE NAGOYA
2013年12月30日から約6年、Pay money To my Painが再びライブを行うということで行ってきました。
雨男にしては珍しく両日ともに晴天でした。笑
P.T.Pのアクトは2日目のFIRE STAGEのトリ、大トリのcoldrainの直前でした。
ステージ準備でこの光景が目に入っただけで、2日間の通しチケット約20000円がもうお釣り返ってくる勢いでしたね。笑
隣のステージで演奏していたONE OK ROCKが終わり、ビジョンに映された「Next Artist」
すでに泣いてる人もいました。
1. Ligarse
照明が落ち、再びビジョンに映されたのはP.T.Pのメンバーの紹介映像。(どうやらこの冒頭のLigarseはインスタの公式アカウントで配信されていたらしいですね)
もちろんKの紹介もあり、カメラが切り替わるとステージには6年ぶりにファンの前で演奏するP.T.Pのメンバー。
Pay money To my Pain PRESENTS
BLARE FEST SPECIAL LIVE
gene
と映し出されました。
もうgeneの4文字だけでビール2杯いけますよ。えぇ。
2. Resurrection
アルバムでもゲストボーカルを務めてくれた、coldrainのMasatoとlynch.の葉月がステージに来てくれました。
この後自身のステージも控えているのにフルパワーで歌ってくれたMasato。
主催バンドとして多忙だろうし、前日に続きたくさんのバンドのステージに出演して体力的にも精神的にも相当な疲労感があったのに圧巻の歌声でした。
あり得ないタフネスさですね。
以前coldrainとlynch.のライブの際、MCで
「Resurrectionやると思った人もいるだろうけれど、この曲はP.T.Pの曲だから」と言っていました。
本当は本人も歌いたかったでしょう。
そして今回のステージ。
あらゆるものを爆発させて歌う2人から愛やリスペクトを感じました。
さっきまで自分のライブしてた人とこの後すぐ自分のステージを控えている人の気迫ではなかったです。
本当にKが復活しそうなくらいでした。
3. Weight of my pride
2013年にSiMとcoldrainのP.T.Pの曲をカバーした時と同じようにSiMのMAHが歌ってくれました。
MAH「いつのまにかKくんより歳上になっちゃったよ…!!」
7年の時の長さを突きつけられました。
10年前、Weight of my prideで泣くことになると思った人はいないでしょう。
私の右も左も後ろもボロ泣きでした。
SiMのステージの時はいつものように赤ネクタイを付けていたのに、このステージでは白のネクタイをつけていました。
彼なりの追悼なのか、手向けなのか。
普段オーディエンスに
「死ねぇー!!!!!」
と言っている人の
「長生きしようぜ!!!!」
に込められた愛がただただ大きかったです。
https://t.co/fmU8Bv8iTZ#PTP#paymoneytomypain#SiM#ブレアフェス pic.twitter.com/VemHgVcUXE
— MAH (@MAHfromSiM) 2020年2月4日
4. Respect for the dead man
Koie(Crossfaith)、NOBUYA、N∀OKI(ロットン)がステージに現れ、フロアは一気にカオス化していきました。
さっきまで涙ウルウルでしたがパーティー大好きなKが見てる以上暴れないとダメですね。
個人的には1日目にあったロットンは半分も見れなかったのでここで再び見れて嬉しかったです。
死なないと見れないと思っていたライブ。楽しまなきゃ損。
2日間の疲労を忘れて音に乗せて体を動かしました。
Kも好きだったビールを浴びるように飲みたい気分でした。(お前もビール大好きか)
5. Pictures
いまや大人気のNOISEMAKERのAGとサバプロのYoshの2人によるカバー。
P.T.Pはあまり知らないけれど、この曲は知っている、この曲は好きかもという人も多いのではないでしょうか。
ライブならではのラスサビが終わった後の大合唱がずっと憧れだったので、感無量で声を張り上げてました。もうPicturesが国歌でいいんだわ。
6. Voice
こちらも今や世界的ボーカリストのワンオクのTakaがステージに上がってくれました。
ここまでくると予想はできていたけど、ついさっき隣のWATER STAGEでこれぞ世界のワンオク!といったステージを見せていた人がこっちで歌ってくれていることに感謝しかないです。
このVoice。
先ほどワンオクが演奏したどの曲よりも曲時間が長い曲。
P.T.Pの曲の中でも最も長い曲です。
曲の前にT$UYO$HIが
「今日電子チケットだからみんなスマホ持ってるでしょ?ここは天井があるけどライトで空を照らしてほしい」
と呼びかけてこの光景が生まれました。
17,000人が照らしたこの光はただのスマホのライトじゃありません。
命の光です。
生と死を超えて、私たちとKを、あの日と今日を繋ぐこの光の中でPay money To my Painがライブをしている。
8分間何度もこのことを反芻していました。
きっと、上から見ていたKにも届いていたと思っています。
曲の終盤、Takaが後ろで演奏する3人に歩み寄り、語りかけるように、しっかり確認するように歌う姿に目に溜まっていたものがあふれました。
この時TakaはKと同じ31歳。
何か運命的なものを感じます。
「K!聞こえるか!?まだみんな歌ってるぞ!!」
Kを煽るTakaに応えるように会場中に響く声が未だに耳に残ります。
絶景とはこのことですね。
ギネス・ワールド・レコードはさっさと「世界で最も美しい光景」で登録してほしいよね。
7. Rain
Voiceが終わった後、会場に響く
「K!聞こえてんなら返事しろや!」
直後に響き渡るRainのイントロ。
奇跡によるこのライブではフィクションも敵わないドラマが起こるんですね。
Rainは6年前のラストライブと同じバージョンのMVと一緒に3人が演奏するスタイルでした。
普段この曲を聴くだけで涙ぐむのに、ここで大好きな歌声と大好きなアルペジオを肌で感じて、涙ぐむで済むはずがないんですよね。
アウトロが終わり聞こえてくるのはオーディエンスの泣き声のみ。
やっぱり私は雨男ですね。
2日間晴れてるのがおかしいわけです。
8. This life
少し話が逸れますが、いまGReeeeNのライブが続いている一つの要因に6年前のラストライブがあると思っています。
このライブを見ていた元メンバーのJINは二重スリット実験のインタビューでこんな言葉を残しています。
エンターテインメントとは思いませんでしたが、映像を使って実際いなくなった仲間の追悼ライブもありました。その時、僕は涙が止まりませんでした。そこには確かに涙する感動や想いがありました。
ステージの真ん中に置かれたマイクスタンドを使う人はいないけど、Kの姿は想いとしてそこにいたことを感じた彼は、GReeeeNのライブも間違っていないことを確信し、今に至ると思っています。
そして、今回の最後の曲、This life。
先ほど貼ったAIR JAM2011のライブ映像とシンクロしたパフォーマンスには会場中驚いていました。
ミュージックビデオを使ったRainとはまた違い、ライブをしているKがそこにいるかのような感覚になりました。
あぁ、あのインタビューの「確かに涙する感動や想い」とはこのことか。
6年近く経ちようやくその本質を理解できたような気がします。
geneは、遺伝子は確かに受け継がれていました。
今の時代を駆け抜けるアーティストたちの魂を削るような歌声がその答えでした。
演奏を終え、無人のマイクスタンドにかけられた "Pay money To my Pain Forever" の白いコーチジャケット。
鳴り止まない拍手と共にステージを去るPay money To my Pain。
見届けました。見届けられました。
今回のライブのMCでPABLOが言った言葉がとても印象に残っています。
”俺らみんな生きてるうちはこの音楽とめねえから、お前らも流し続けてくれ。”
2225日前、ラストライブが終わりPay money To my Painの音は止まってしまったと思っていました。
コンプリートBOXに入っていたチケットを手にしてからは、いつ死んでも構わなくなったなと思ったくらいです。
でも、この日まで生きていたからこそ今回のライブを目の当たりにすることができました。
思えばこの日までずっと自分はPay money To my Painを鳴らし続けていました。
嬉しい日も、悲しい日も、2225日連れ添って来ていました。止まってなどいなかったんです。
今という瞬間を重ねてきたからこそ、ここまで来ることができた。
もっと今を大切にしていかなければ。
抜け殻だった2225日を取り戻すために。
この音楽を鳴らし続けながら。
今を大切に。
— ptp (@ptp_official) 2015年12月30日
#ptpforever